採用担当がいない中小企業は、採用をどう進めればいい?

採用担当がいない中小企業向けに、候補者対応、採用背景の整理、ペルソナ設計、媒体選定、採用数値の見方まで、採用を進める順番を実務ベースで解説します。

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この記事で伝えたいこと

  • 採用担当がいなくても、まず候補者対応などの基本を止めない
  • ペルソナは企業側の希望だけでなく、採用市場と求職者の転職理由まで含めて考える
  • 採用できない原因は決めつけず、数字からどこで候補者が止まっているかを切り分ける
目次

採用担当がいないからといって、採用できないわけではありません。中小企業では、社長自身が採用していたり、総務や経理などの管理部門が兼務していたりすることもあります。

ただ、採用がうまくいかなくなると、「媒体を変えた方がいいのか」「求人票を直した方がいいのか」「給与を上げないと無理なのか」と、いきなり打ち手の話から始まりがちです。

私が実際の打ち合わせで最初に聞くのは、施策の話ではなく「そもそも、なぜこの人を採りたいのか」です。仕事内容や組織、給与、採用したい人物、市場の状況まで整理したうえで求人を出し、うまくいかなければ数字を見て原因を探す。この順番を崩さないことが大切です。

この記事では、採用担当がいない中小企業が、採用をどんな順番で整理すればよいのかを、EnterLinkが実際の採用支援で確認しているポイントに沿って解説します。

最初にやるのは、難しい採用戦略ではない

最初に確認したいのは、とても基本的なことです。応募が来たら早めに返信できているか。面接をなるべく早く設定できているか。候補者を必要以上に待たせていないか。まずは、今来ている候補者にきちんと対応できる状態をつくります。

社長自身が採用を担当している会社では、ほかの仕事が立て込み、面接日程の確認が数日止まることがあります。管理部門が採用を兼務している場合も、本来業務を優先するうちに応募者への連絡や日程調整が後回しになることがあります。

採用施策を増やす前に、「今いる候補者を取りこぼしていないか」を先に見る。求人を改善して応募が増えても、その後の対応が止まれば採用にはつながりません。求人改善や媒体選定より先に、候補者対応が滞らない状態をつくるところから始めます。

求人票を書く前に「なぜ採るのか」を掘る

候補者対応が回っているなら、次は採用そのものを整理します。最初に確認するのは、何の職種を採用するのか、どの職種を優先するのか、いつまでに必要なのかです。

そこから職種ごとに、次の4点を確認します。

  • なぜ採用するのか
  • 実際に何を任せるのか
  • どんな組織で働くのか
  • どこまで給与を出せるのか

この部分を飛ばし、現場から出てきた要望をそのまま求人票に載せると、採用要件そのものがずれていることがあります。

たとえば「営業経験5年以上で、業界経験があって、マネジメント経験もある人が欲しい」と言われたとします。そこで終わらず、「なぜ5年以上必要なのか」「業界経験がないと具体的に何ができないのか」「入社後にどんな仕事を任せるから、その経験が必要なのか」まで確認します。

話を掘っていくと、最初は必須だと思っていた条件が、実は必須ではないこともあります。現場から出てきた条件を並べることと、本当に採用すべき人物を決めることは別です。

ペルソナは「欲しい人」を決めて終わりではない

採用では「ペルソナを設定しましょう」とよく言われます。EnterLinkでもペルソナは設定しますが、「30歳前後、法人営業5年以上、マネジメント経験あり」と人物像を作っただけでは、採用で使えるペルソナになったとは考えません。

まず企業側から、採用背景 → 仕事内容 → 組織構成 → 求める役割 → 必要な経験・スキルの順に整理します。ここまでで「企業が欲しい人」は見えてきます。

ただ、採用するにはもう片方も必要です。その条件の人は市場にいるのか。今どれくらいの給与をもらっているのか。転職するとしたら何に不満を感じ、何を求めて会社を変えるのか。そして一番重要なのが、「その人は、なぜ自社を受けるのか」という問いです。

採用ペルソナを考える3つの視点
企業側企業が必要としている人
市場実際の採用市場
求職者側求職者が転職する理由
考えたいことその人は、なぜ自社を選ぶのか?

企業側の希望だけで人物像を決めず、3つを行き来しながら採用できる条件へ落としていきます。

企業が欲しい人物でも、その人にとって転職する理由がなければ応募にはつながりません。逆に、求職者が求めているものと自社が提供できるものが分かれば、求人で伝えるべき内容も変わります。

ペルソナを作ること自体が目的ではありません。企業側の要件と市場を照らし合わせたうえで、「その人がなぜ自社を選ぶのか」まで言葉にできるか。ここまで考えて、初めて求人の訴求や媒体選定に使える状態になります。

採用ターゲットとペルソナを具体的に決める手順は、中小企業の採用ペルソナ・採用ターゲットの決め方で、Must条件の見直し方から市場・給与との合わせ方まで整理しています。

「応募が来ない」を一つの問題にしない

採用相談では、「そもそも人がいない」「この媒体では採れない」「給与が低いから仕方ない」という話になることがあります。実際にそれが原因のケースもありますが、最初から原因を決めつけると、打ち手もずれます。

そこで、取得できる数字からどこで候補者が止まっているのかを確認します。Indeedでは、Indeedアナリティクスで表示回数、クリック数、応募開始数など求人パフォーマンスの指標を確認できます。媒体によって確認できる指標は異なりますが、見るべきなのは「応募が少ない」という結果だけではなく、その手前のどこで離脱しているかです。

参考:Indeed「Indeed アナリティクスによる求人パフォーマンスの評価と分析」

採用ファネル:止まっている場所から確認する
  1. 表示

    媒体・露出・検索条件を確認

  2. クリック

    求人タイトル・条件・一覧画面での見え方を確認

  3. 応募開始

    求人内容・仕事内容・給与・ターゲットへの訴求を確認

  4. 応募完了

    応募方法・入力項目・応募プロセスを確認

  5. 面接

    ターゲット・採用要件・選考基準を確認

  6. 採用

    面接・条件・魅力の伝え方・見極めを確認

「応募が少ないから求人票を直す」ではなく、どこで止まっているから、何を直すのか。ここまで分けて考えると、やるべきことはかなり変わります。

社長が採用する会社と、管理部門が兼務する会社では詰まり方も違う

EnterLinkがこれまで採用支援で関わってきた企業でも、社長が採用をしている場合と、管理部門が兼務している場合では、困っているポイントが違うことがあります。

社長が採用している会社では、採用以外の仕事が多く、候補者への連絡や面接設定が止まりやすい。一方、管理部門が兼務している会社では、「現場から言われた条件を求人にしたものの、その条件で本当に採用できるのか分からない」ということがあります。

その給与で対象者がいるのか。その経験を本当に必須にする必要があるのか。どの媒体で探せばいいのか。ここは採用市場を見ていないと判断しづらい部分です。

そのため、「採用担当がいない」という状態を一括りにせず、時間が足りないのか、採用の専門知識が足りないのか、両方なのかを分けて考えます。

「何からやればいい?」と聞かれたら、最初の30分でここを見る

採用担当がいない企業の社長から「結局、何からやればいいですか?」と相談された場合、EnterLinkではまず採用全体から、採用する職種・優先順位・採用期限を確認します。

職種ごとに確認すること

  • 採用背景
  • 仕事内容
  • 組織構成
  • 給与レンジ

ここまで聞いたうえで、その職種のペルソナを仮設定します。さらに、現在使っている媒体、現在の採用数値、どこで候補者が止まっているのか、面接・選考の流れまで確認します。

30分ですべての答えが出るわけではありません。ただ、少なくとも「誰を、なぜ採るのか」「今どこで困っているのか」「次に何を確認すべきなのか」は見える状態にします。

採用担当がいない会社ほど、最初から施策を増やすより、ここを整理した方が次の一手を決めやすくなります。

企業が決める仕事と、外に出せる仕事を分ける

採用業務をすべて社内で抱える必要はありません。EnterLinkでは、給与や雇用条件の最終決定、面接・合否判断は企業側が持つものと考えています。

一方で、必要に応じて外部へ出せる仕事はかなりあります。採用計画やペルソナ設計、求人票作成、媒体選定などの設計部分。人材紹介会社とのやり取り、応募者対応、日程調整、スカウト、面接前フォローなどの運用部分。採用数値の集計・分析や改善案の作成といった改善部分です。

外部へ丸投げするというより、会社が意思決定を持ち、専門知識や工数が必要な部分を補う。この分け方の方が、採用担当がいない会社でも進めやすくなります。

候補者との往復連絡や面接設定だけが負担になっている場合は、面接日程調整代行で任せられる業務と費用で必要な部分だけ外注する方法も確認できます。

外部支援を検討しているものの、RPOと人材紹介のどちらが合うか迷う場合は、採用代行・RPOと人材紹介の違いで、「候補者不足」なのか「採用体制不足」なのかから整理できます。

RPOやATSを入れなくてもいい会社もある

採用担当がいないからといって、RPOが必要とは限りません。たとえば、年間1〜2名程度の採用で、今使っている媒体から安定して採用できていて、応募者対応も問題なく回っている。このような状態なら、EnterLinkでは無理に外部支援を入れる必要はないと考えています。

反対に、採用実務が回らない、採用できない原因が分からない、社内だけでは採用市場の判断が難しいという状態なら、外部支援を検討する意味が出てきます。

ATSも同じです。「応募が○件になったからATS」「年間○名採用するからATS」と人数だけで決める必要はありません。先に確認したいのは、今の方法で候補者の選考状況と採用数値を正しく管理できているかです。

スプレッドシートで十分管理できているなら、そのままで構いません。ツールを入れること自体を目的にせず、採用の状況を把握して改善の判断ができるかを基準に考えます。

外部支援が必要か迷う場合は、中小企業がRPO・採用代行を使うか判断する基準で、採用課題と社内の人・時間・知見・仕組みから、必要な支援範囲を整理できます。

福岡の企業で、総務・経理などの兼務を続けるか、公的支援・部分外注・RPO・専任化のどれが合うか判断したい場合は、福岡で採用担当がいない中小企業の採用体制の考え方で地域の選択肢も含めて整理しています。

採用担当がいない会社ほど、順番を間違えない

採用担当がいないからといって、最初に媒体を増やす必要はありません。求人票の文章を何度も直す必要もありません。

まずは、候補者への返信や面接設定など、当たり前のことを止めない。次に、なぜその人を採用する必要があるのかを仕事内容や組織まで掘って考える。そこから人物像を作り、その人が市場にいるのか、なぜ転職するのか、なぜ自社を受けるのかまで考えます。

求人を出した後は、「応募が来ない」で終わらせず、数字を見てどこで候補者が止まっているのかを確認する。この順番で整理していけば、必要な打ち手はかなり見えやすくなります。

採用は、媒体選びから始まるのではありません。

誰を、なぜ採るのか。そして、その人がなぜ自社を選ぶのか。採用担当がいない会社ほど、まずここを正しく整理することが、採用を前に進める第一歩だとEnterLinkでは考えています。

採用について、一度整理してみたい方へ

今の採用状況から、次にやることを一緒に整理します。

採用職種・優先順位・どこで止まっているかを確認し、自社で進める部分と外部を使う部分まで整理します。

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