この記事で伝えたいこと
- 採用代行で成果が出ないときは、委託先の評価を急ぐ前に「契約で頼んだこと」「実際に行ったこと」「採用工程の数字」を揃える
- 次の定例で、停滞の根拠・改善施策・実行担当・社内承認者・確認日を合意し、改善したかを判断する
- 改善の継続、委託範囲の見直し、乗り換え、内製化は、自社の採用体制と契約条件を含めて選ぶ
採用代行・RPOを利用しているのに採用につながらない中小企業向けに、契約範囲と採用数字を揃え、委託先との定例で改善を合意する方法を解説。継続・委託範囲変更・乗り換えを判断する確認表付き。
「採用代行に毎月費用を払っているのに、採用につながらない」
「改善提案が見えず、今の会社と契約を続けてよいか迷っている」
この記事は、すでに採用代行・RPOを利用している中小企業の経営者や採用責任者に向けたものです。
採用人数が目標に達していないからといって、すぐに「委託先が悪い」と決めることはできません。採用要件が市場に合っていない場合もあれば、企業側の承認や面接対応が止まり、委託先の改善案が実行されていない場合もあります。一方、契約で合意した業務が実施されず、原因分析や改善提案が行われていないのであれば、委託内容や運用体制を見直す必要があります。
大切なのは、契約で約束した業務と採用工程の事実を照合し、委託先と次の施策・担当・確認日を合意することです。この記事では、そのための定例確認表と、改善継続・契約変更を判断する方法を紹介します。
まだ採用代行の契約前で、会社選びの失敗を避けたい場合は、採用代行会社を選ぶときの7項目から確認してください。
最初に揃えるのは次の3点です。
これらが揃わないまま「求人を増やす」「担当者を変える」と決めると、改善すべき工程を見誤ります。
採用代行に依頼できる仕事と企業側に残す判断の整理は、採用代行・RPOに依頼できる業務範囲で詳しく解説しています。
まず、契約書、提案書、採用計画、これまでの定例議事録やレポートを見比べます。
確認すべきなのは、採用人数だけではありません。
例えば、契約が「求人原稿の月1回の改善提案まで」であれば、委託先に日々の応募者返信を求めても契約範囲が違います。反対に、媒体の数値分析・改善実行まで契約しているのに、月次の応募件数を報告するだけで変更施策が見えないなら、改善の実施状況を確認する必要があります。
採用目標の未達と、契約上の業務が実施されていないことは別の問題です。 両方を同じ「成果が出ない」で扱わないようにします。
RPOを利用しても、給与や勤務条件、採用基準、最終的な採否といった重要な意思決定には企業側の関与が必要です。具体的な役割は契約や業務の内容によって異なります。
たとえば、委託先が求人票の改善案を作っても、企業側が条件変更を承認できなければ掲載に反映されません。応募者への連絡が早くても、現場の面接候補日を確保できなければ選考は止まります。
定例では、作業が止まった日・止めている判断・担当者・次の承認日を確認します。原因と担当を切り分けるためであり、責任を一方的に押し付けるためではありません。
求人の表示が少ないのか、読まれても応募されないのかを、同じ職種・求人・媒体・対象期間で確認します。掲載条件、職種名、給与、仕事内容、応募要件などは原因の候補ですが、数字だけで断定しません。
管理画面と応募者台帳の件数も、必ずしも一致しません。Airワーク 採用管理の公式ヘルプでは、ホーム・求人一覧・有料広告詳細で表示対象や削除後の扱いが異なると説明されています。他媒体にも同じ定義が当てはまるわけではありません。
参考:Airワーク 採用管理「各画面で表示されている応募数について」
応募後は連絡履歴、候補者からの返信、面接枠の確保、見送り理由を確認します。面接を設定できていない理由が「企業の候補日承認待ち」なのか「候補者からの返信待ち」なのかでは、担当する改善が異なります。
面接率などを比べる際には、同じ応募者集団と基準日時点のステータスを揃え、選考中の人を確定的な失敗として扱わないでください。細かい指標の定義は採用KPIの見方、選考離脱の分析は採用の歩留まり改善にまとめています。
「レポートをください」だけでは改善につながらないことがあります。次の定例で、どの工程で、何が起こり、誰が何を直し、いつ確認するかを同じ表に並べてみてください。
| 工程 | 観測事実・集計条件 | 実行者・承認者 | 次の施策・確認日 |
|---|---|---|---|
| 目標・契約 | 職種/目標/契約内業務/実施記録 | 委託先担当/企業責任者 | 不足する成果物を確認 |
| 求人・媒体 | 期間・媒体別の表示/応募/変更履歴 | 原稿担当/予算承認者 | 改善内容・実行日・再確認日 |
| 応募・面接 | 同一応募者集団の連絡/設定/未設定理由 | 連絡担当/面接枠承認者 | 滞留解消策と再確認日 |
| 面接・内定 | 評価/見送り/辞退の理由 | 面接官/採否判断者 | 基準の調整・再確認日 |
この表は記入項目の提案であり、すべての顧客に導入済みの様式や業界標準ではありません。契約範囲と実際に取得できる数字に合わせて調整してください。
「何を変えるか」に加え、「誰が、いつまでに、何をもって確認するか」まで残すことが定例の終了条件です。
ここでの職種・人数・日付・改善手順はすべて説明用に作った架空例であり、実在顧客の成果ではありません。
ある企業が営業職の採用代行を利用したとします。10月1〜7日に応募した同じ8名について、10月14日時点の選考台帳では、面接設定済みが3名、未設定が5名でした。これは同じ応募者集団の一時点の状況で、採用率や最終的な失敗率ではありません。
未設定の5名を確認すると、企業の面接枠承認待ち2名、候補者からの返信待ち1名、条件不一致1名、応募辞退1名だった、という仮の内訳です。
ここで「8名中3名しか面接設定できていないから代行会社を変更する」と結論づけるのは早計です。企業の承認待ちと候補者側の事情まで委託先の対応不備として数えているからです。
定例の合意記録の例は、次のように具体化できます。
これらの日付は業界共通の期限や成果保証ではありません。実行者・承認者・再確認日が残ったかが重要です。
現在の支援会社との改善継続を含め、採用状況や委託範囲の整理が難しい場合は、この記事末尾のRPO相談案内からお問い合わせいただけます。必ず乗り換えを勧める相談ではありません。
一度改善を提案したら、必ず契約を継続すべきというわけではありません。反対に、最初の採用結果が思うように出なかっただけで、即座に乗り換えるのも早計です。
| 確認できたこと | 選択肢 | 次に確認すること |
|---|---|---|
| 施策が実行され、改善の検証が進んでいる | 現委託先と継続 | 目標差・実施履歴・結果 |
| 必要な業務が契約外で、自社も対応できない | 委託範囲を変更 | 業務・費用・実行権限 |
| 契約内業務の未実施が続き、協議しても是正しない | 再選定・乗り換え | 解約条件・引継ぎ・法的要件 |
| 自社に安定した実行体制がある | 縮小・内製化 | 担当者・運用継続性 |
これは一般的な判断の整理であり、契約の適法性・解約権の有無を判定する表ではありません。「何か月で採用できなければ失敗」など一律の数値基準はなく、職種・地域・条件・母数・契約内容で判断は変わります。
次の定例で合意した施策が実行されたか、企業側の承認が進んだか、同条件で結果を見られるかを確認します。契約内の業務が実施されず合理的な説明もない場合は、採用人数だけでなく履行状況も判断材料になります。
委託先を比較し直す段階になったら、採用代行会社の選び方で必要な確認事項を整理できます。
現在の契約を終了または変更するなら、次の点を早めに確認します。
媒体アカウントや応募者情報を無条件に新しい会社へ渡してよいとは限りません。契約上の権限、個人情報の利用目的、必要な安全管理などを確認したうえで引継ぎを進めます。
採用代行・RPOという呼び名だけで、職業紹介や委託募集の法的区分が決まるわけではありません。候補者を企業に代わって選定する、選考に関する連絡を企業の判断によらず行うなど、具体的な行為によって検討が必要になります。疑義があれば契約内容と業務実態を整理し、管轄の労働局等へ確認してください。
また、個人データの取扱いを委託する場合には、委託元による必要かつ適切な委託先の監督が求められます。契約を変えるときも、閲覧権限、再委託、返還・削除、保存が必要な記録などを確認します。
参考:個人情報保護委員会「個人情報保護法ガイドライン(通則編)」
この記事は一般的な確認項目を整理したものです。個別契約の適法性や解約の可否を判断する法的助言ではありません。
EnterLinkの公開済み事例から、採用成果を考えるときに数字と実務をどう結びつけるかを紹介します。以下は採用改善の支援例であり、他社のRPOから乗り換えた成功例ではありません。
福岡市の従業員約70名の運送会社では、採用ペルソナの再設定、求人票の具体化、媒体選定、Indeedの週次数値確認、面接設定の運用改善などに取り組みました。
当初は4か月で4名の採用目標でしたが、4か月間で22名を採用した事例として公開しています。ただし、複数の改善を同時に行っており、どの施策が採用何名分に寄与したかは確認できません。応募数や採用単価の支援前後比較にも、集計条件の違いがある可能性があります。
重要なのは「採用代行へ依頼したら22名採用できる」ということではなく、求人・媒体・応募後の選考という複数の工程に実際の改善を入れたことです。
詳しくは福岡の中小企業の採用改善事例をご覧ください。
沖縄県石垣島の支援例では、複数媒体を試した結果、反応が限定的なチャネルの運用頻度を減らし、応募が確認できたチャネルへ比重を調整しました。求人の見せ方や応募後の対応も改善しています。
EnterLink参画後の1年間に45名を採用した事例ですが、支援前と支援後では集計期間が異なり、単純な倍率比較はできません。ある媒体がどの会社でも有効という意味でもありません。
この事例から学べるのは、実際の応募反応を見て、続ける施策と変える施策を決めることです。
詳しくは沖縄・石垣島の採用改善事例をご覧ください。
すべての企業に共通する期限はありません。まず契約した業務が実施されているか、採用目標と募集条件は妥当か、改善案が実行されているか、その結果を判断できるだけの期間や件数があるかを確認してください。契約更新・解約条件も合わせて検討します。
契約でどのような報告や成果物を約束しているか確認し、対象職種・求人・媒体・期間・応募後の進捗を同じ基準で説明してもらいます。そもそも数値報告が契約に含まれていないなら、追加すべき業務かどうか相談します。改善の判断に必要な情報が得られない状態を放置しないことが大切です。
委託先を変えるだけで、企業側の意思決定の遅れがなくなるわけではありません。面接枠の確保、評価・条件の決定者、承認までの手順を整理し、自社で改善できない業務だけを外部支援の候補とします。外部委託前に役割を整理する方法は採用代行の業務範囲でも解説しています。
一律には言えません。応募者情報の取扱い、媒体アカウントの権限、契約条件、利用目的、委託先の監督、再委託の有無を確認したうえで判断します。選考中の候補者への連絡が止まらないよう、進行中の案件と担当を整理することも重要です。
成果が出ないときに最初にすることは、現在の委託先を批判したり、他社に見積もりを依頼したりすることではありません。契約上の業務、採用工程で起きた事実、委託先と企業側の担当、次の施策と確認日を一枚にまとめることです。改善を実行した事実が揃って初めて、継続・委託範囲変更・乗り換え・内製化を比較できます。
現在の委託先で改善できるなら、無理に乗り換える必要はありません。一方、何を改善するのか説明がなく、合意した業務も進んでいないなら、支援範囲や依頼先を見直す理由になります。
相談前にあると役立つ資料は、現在の採用目標、委託契約の支援範囲、直近の媒体・応募・面接の集計、これまでの改善施策・定例議事録です。手元にすべて揃っている必要はありません。
EnterLinkは採用代行・RPOの提供事業者であり、独立した法律相談機関や第三者評価機関ではありません。現委託先での改善継続・部分支援・内製化も含めて、採用業務の見直し方を整理します。
採用状況と委託範囲について相談したい方は、このページ末尾のご相談窓口をご利用ください。
採用代行の成果・委託範囲のご相談
現在の契約範囲・採用目標・応募/面接の状況と改善履歴を確認し、現委託先との改善継続、委託範囲の変更、内製化や再選定の必要性を整理します。乗り換えを前提にはしません。