「求人広告に月5万円かければ足りるのか」「Indeedの有料広告を始めたいが、予算をどう決めればよいか」「応募が来ないので広告費を増やすべきか」。採用担当者がいない、または社長・管理部門が採用を兼務している中小企業では、広告予算の決め方そのものが難しいことがあります。

求人広告の予算には、すべての企業に当てはまる正解の月額がありません。募集職種、勤務地、採用したい人数・期限、求人条件、応募から採用に至る歩留まりによって必要額が変わるためです。広告費を増やす前に、求人そのものや応募後の対応を見直した方がよい場合もあります。

本記事では、採用人数から必要な広告費総額を逆算して期間別の月額配分を決める方法と、使える予算から採用計画を点検する方法を、架空の計算例で説明します。あわせてIndeed、Airワーク採用管理のIndeed PLUS、求人ボックスの公式料金制度を比較し、「何に予算を使い、いつ見直すか」を整理します。記事中の仮の応募単価・歩留まりは業界平均や採用成果の保証ではありません。

結論|「月いくら」より採用人数・必要応募数・応募単価を先に決める

求人広告は、月額5万円や10万円という数字から選ぶのではなく、まず採用したい人数と期限を決め、必要な応募・面談・内定の数から広告費総額を逆算し、採用活動の月数に応じて月間予算へ配分する方が合理的です。

たとえば、採用1名を目指す場合でも、応募16件あれば採用できる企業と、応募30件でも採用につながらない企業では必要な広告費が変わります。重要なのは「広告を使って人を集める工程」と「集まった応募者を採用に進める工程」を分けることです。

採用に必要な予算が自社の上限を超えるなら、直ちに予算を増やすのではなく、募集要件・広告媒体・求人原稿・応募後の対応を確認します。実績のない状態では、少額のテストで数字を取り、増額する根拠を作る方法もあります。ただし少額で一定数の応募や採用を必ず得られるという意味ではありません。

求人広告費と採用総予算は違う|まず4つに分ける

「求人広告の予算」を話す際に、媒体へ支払う広告費と、広告を運用するための費用を混同しないことが大切です。

  1. 媒体へ支払う広告費:クリックや求職者のアクション等に応じて発生する有料配信の費用、あるいは掲載料金。
  2. 原稿・画像等の制作費:募集内容の改善、撮影、採用ページ制作などにかかる費用。自社で対応すれば外部支出が不要な場合もあります。
  3. 広告運用・採用支援の費用:媒体の設定や運用、数字の分析、求人改善を外部に依頼する場合の費用。どこまで含むかは契約次第です。
  4. 選考・社内対応の費用:応募への返信、面接、内定後フォロー等に要する工数。支払う広告費とは別に、社内の担当時間も必要です。

この記事で説明する「広告予算の逆算」は、主に1番の媒体への支出額を求める方法です。広告運用代行の料金と一緒に検討する場合は、Indeed運用代行の費用・手数料の比較もご覧ください。

Indeed・Airワーク・求人ボックスの広告予算はどう決まる?

料金を比較する前に、広告商品ごとに「予算」と「何に課金されるか」が異なることを確認します。次の表は2026年10月29日時点で確認した公式情報の要約です。

求人広告の予算設定と課金方式の違い
媒体・広告商品公開されている予算の仕組み課金・設定上の注意
Airワーク採用管理/Indeed PLUS有料オプション基本機能は無料。有料オプションは3,000円から利用でき、予算上限と期間を設定できる公式料金ページではクリック課金と説明。クリック単価は変動し、3,000円は採用必要額の相場ではない
Indeedスポンサー求人(求人単位)公式Helpではスタンダードの推奨日額、カスタムの日額予算を設定。固定価格表なし求職者のアクションで課金。日額は厳格な1日上限ではなく、掲載期間ごとの上限あり
Indeedスポンサー求人キャンペーン(複数求人)公式Helpでは月額予算(自動継続)または期間を定めたワンタイム予算を設定できる複数求人の共有予算。求人単位の日額予算とは設定方法を区別
求人ボックス「採用ボード」有料オプションクリック課金型。入札単価は25〜1,000円の範囲で設定可能と公式案内25〜1,000円は入札設定範囲であり、実際の請求クリック単価・応募単価や採用成果を保証しない

出典:Airワーク採用管理の公式料金、Indeedスポンサー求人の公式予算ヘルプ、Indeedキャンペーンの公式設定ガイド、求人ボックス採用ボードの公式料金体系。

Indeed公式では、求人単位のスポンサー求人は日額予算を案内する一方、複数求人をまとめたキャンペーンでは月額予算・ワンタイム予算を設定できます。「Indeedでは月額予算を設定できない」と一律に書くのは不正確です。実際の利用商品・予算設定画面・契約条件を確認してください。また、Google広告の「平均日額×30.4」という月額上限ルールを、Indeedや求人ボックスにそのまま当てはめないでください。

採用1名なら予算はいくら?採用人数から逆算する計算例

採用人数から広告予算を考えるには、次の順番を使います。

  1. 最終的な入社人数を決める。
  2. 内定から入社する割合から、必要な内定数を求める。
  3. 面談・面接から内定に至る割合から、必要な面談・面接数を求める。
  4. 応募から面談・面接に進む割合から、必要な応募数を求める。
  5. 必要な応募数に想定応募単価を掛けて、広告費の計画額を求める。

以下は計算方法の説明だけを目的とした架空の例です。実際の中小企業の平均選考率や、広告で達成できる水準を示したものではありません。

採用1名の必要人数を逆算(架空の計算例)
工程仮定した通過率必要な件数逆算の考え方
入社—1名採用の最終目標
内定内定から入社50%2名入社1名÷50%
面談・面接面談から内定25%8名内定2名÷25%
応募応募から面談50%16件面談8名÷50%

ここで仮の応募単価を8,000円と置いた場合、広告費の計算上の目安は「16応募×8,000円=12万8,000円」です。これは採用1名を目指す採用活動期間全体の仮の広告費総額であり、「月額12万8,000円」を意味しません。外部の広告運用手数料、求人原稿制作費、社内工数は含めていません。

広告費の総額を月間予算へ配分するときは

同じ架空の条件で採用活動を2か月間行い、広告費を均等に使う計画なら「12万8,000円÷2か月=月6万4,000円」が計算上の月間配分額です。実際の広告配信・応募・選考は均等に進むとは限らず、2か月で採用できる保証でもありません。表示・応募・面談移行の実績を確認し、翌月の予算配分を見直します。

実務では、職種・エリア・雇用形態・掲載媒体を揃えた過去実績を優先して、応募単価や各通過率を更新します。採用経験が少なければ割合の推定は不安定なので、12万8,000円を「これだけ支払えば採用できる金額」と解釈しないでください。小数が出る計算では工程ごとに必要人数を切り上げる方法もあり、単純な期待値の計算と必要人数の整数計画を混同しないことが重要です。

予算が先に決まっている場合|広告費から必要応募数を比較する

反対に「今月は8万円まで」「広告費に16万円以上かけられない」という状況では、予算と想定応募単価から応募数を見積もれます。

たとえば先ほどの架空例と同じ「応募単価8,000円、採用1名には応募16件が必要」という条件で、広告予算だけを変えると次のようになります。

予算上限から応募数を試算(架空の計算例)
広告予算の仮定8,000円/応募での計算上の応募件数必要応募16件との比較
8万円10件6件分不足する計画
12万8,000円16件必要応募数と計算上は一致
16万円20件4件分の余地がある計画

これは予定額を割り算した机上のシミュレーションであって、8万円を支払えば10件の応募が発生するという保証ではありません。8万円が1か月の予算上限か、採用活動全期間の上限かも最初に区別してください。応募単価は期間・地域・仕事内容によって変動しますし、広告を配信しても十分な対象者がいない場合は、予算を使い切らないこともあります。

また、想定していた応募16件が集まらなくても、応募者の条件適合率が高く、面談からの内定率が改善すれば、必要額が変わる可能性もあります。最初から「応募件数=採用人数」と考えず、選考の工程を合わせて見る必要があります。

クリック数・応募数から「応募単価」と広告効果を確認する

有料広告を配信したら、単に予算を使い切ったかではなく、数値を分けて確認します。

  • 広告費:期間中に媒体へ実際に支払った金額。税区分や期間を揃えます。
  • クリック単価(CPC):クリック課金商品で、広告費÷有効クリック数。
  • 応募単価(CPA):広告費÷応募件数。応募件数0なら算出できません。
  • 応募から面談への移行率:面談へ進んだ応募者数÷応募者数。
  • 広告費ベースの採用単価:広告費÷採用人数。採用人数0なら単価は算出できません。

応募単価は、たとえば広告費8万円に対して応募8件なら1万円です。ただし応募に至るまでの配信期間と、応募から採用結果が確定するまでの期間が違うため、月次の費用と同月の採用人数を単純に割ると誤解を招く場合があります。可能な範囲で応募した人を媒体・職種・応募日ごとに追跡しましょう。

クリック課金商品で、クリック単価250円、クリックから応募への移行率4%だと仮定すれば、計算上の応募単価は250円÷4%=6,250円となります。これも算式の教材値で、Indeedや求人ボックスの平均単価を示しているわけではありません。

採用KPIの一般的な見方は中小企業の採用KPIと改善の進め方にまとめています。

複数職種の広告予算はどう配分する?

ドライバー、営業、事務など複数の募集を同時に出す場合、広告費を一律に職種数で割るのがよいとは限りません。次の4点をもとに配分の優先順位を決めます。

  • 採用の期限:採用できないと事業に影響する職種はどれか。
  • 採用計画:各職種で何人を採り、何件の応募・面談が必要か。
  • 市場と条件:給与、勤務地、就業時間、応募資格が対象者に合うか。
  • 実績の確度:過去の応募単価、面談移行率、応募者の適合度に十分な母数があるか。

例えば緊急度が高い求人でも、給与条件が競合と大きく乖離していれば、広告を増やすだけでは問題が解決しない場合があります。緊急性や求人条件を踏まえて、優先職種から期間と上限を区切って検証し、比較可能なデータが得られた職種から配分を見直す方法もあります。ただし、少額・短期間の結果だけで難しい職種の採用を断念しないようにします。

広告予算を増やす前に見る4つの段階

応募が少ないという結果は同じでも、問題が起きている工程によって対策が変わります。

予算増額前の4段階の確認
停滞する工程まず確認すること予算を増やす前の判断
表示・露出求人が正常掲載されているか、対象者がその媒体にいるか、配信設定・予算に制約がないか媒体と対象条件が合い、掲載/表示が不足しているなら配信予算の見直しを検討
求人のクリック求人タイトル、給与、勤務地、雇用形態、競合との条件差クリック率の低さは広告費だけでなく原稿・条件の課題かもしれない
応募開始・完了求人内容の伝わり方、応募フォームの負担、必要書類・入力項目クリックを追加購入しても応募につながらない可能性
面談・内定・入社返信速度、面談日程、仕事内容の説明、選考要件・内定条件広告ではなく選考運用や採用条件の改善を優先する場合がある

例えば広告の表示回数が少なければ増額を検討する余地はありますが、その前に求人が正常に掲載され、対象者がその媒体を使っているかを確認します。表示されているのにクリックされないなら、応募する人にとって仕事内容や条件が魅力的かを点検します。

Indeedの数字を使った工程別の診断は、Indeedで応募が来ない原因と改善方法でも解説しています。

無料掲載と少額テストは、いつ使い分ける?

費用をかけて募集を始める前に、無料で利用できる機能を使って募集内容と応募導線を整える選択肢があります。Airワーク採用管理の公式案内によれば、基本機能として求人作成や応募者とのやり取りを無料で使えます。ただし、求人がすべての外部サイトに掲載されるわけではなく、各媒体の掲載基準等に従います。

有料オプションは3,000円から開始できると案内されていますが、3,000円で採用人数を満たすことを意味しません。求職者の母集団が小さい、要件が厳しい、短期間で複数名を採る場合などは、必要な観測量・予算が大きくなる可能性があります。

まず無料掲載で求人を整え、必要に応じて上限と期間を区切った有料テストを行い、実際の表示・応募の状況で再判断します。少額テストの途中で応募が来ない場合も、広告の増額が最初の答えとは限りません。

沖縄・福岡の中小企業は、全国一律の相場より募集条件を見る

求人広告の予算を決めるとき、地域ごとの給与水準、通勤手段、働き方、競合企業の条件を無視して全国の平均広告費だけに合わせるのは避けたいところです。

例えば同じドライバー職でも、必要な免許、勤務時間、配送範囲、車両、給与体系によって応募対象が変わります。沖縄・福岡など地域に特化した採用でも、どの媒体が使われているか、ターゲットが求人条件と合うかを確認することが先です。地域による応募単価の定量差が示せる自社データを本記事では保有していないため、「沖縄なら月○万円」「福岡は必ず○%高い」といった地域相場は提示しません。

予算を増額するか迷ったら、まず求人要件・給与条件・利用媒体・応募後の対応の事実を揃えて判断してください。地域別の求人課題については沖縄で求人に応募が来ない原因と福岡で求人に応募が来ない原因も参考になります。

広告費を自社で管理するか、外部へ相談するか

自社で求人を改善し、媒体の予算・配信状況を確認して、応募への返信や面談が行えるのであれば、無理に外部へ委託する必要はありません。

一方、広告を出しても応募が少ない原因が分からない、求人原稿を修正する時間がない、媒体別の結果と採用人数を結び付けて管理できない場合は、業務を限定した支援を比較する余地があります。その際、媒体への広告費、代理店の運用手数料、採用業務の支援費を別に見積もってください。媒体費が同じでも外部費用と社内の実行負担が違うからです。

「広告を増やすか、採用要件を見直すか」の判断がつかない場合、広告費だけを追加するより、どの工程が課題かを診断する方が合理的な場合があります。

EnterLinkへの相談|予算を増やす前に採用の課題を整理する

EnterLinkでは、採用担当者がいない中小企業や採用兼務の企業向けに、募集要件・求人原稿・媒体運用・応募から採用までの数値を確認し、優先順位を整理するRPO・採用支援を行っています。

公式RPOページで案内している部分支援は月5万円〜(税別、1か月〜)、採用全体支援は月20万円(税別、3か月〜)です。これは外部に支払う支援料金であり、求人媒体の広告費が含まれることや、一定額で必ず応募・採用できることを意味しません。実際の支援範囲と予算は個別に確認します。

現在の求人媒体、募集職種、採用人数・期限、直近の表示・クリック・応募・面談状況(分かる範囲で結構です)があれば、EnterLinkへ採用予算と求人課題を相談することができます。初回相談で応募者の氏名や履歴書等の個人情報を送る必要はありません。

すでに求人原稿があり、広告費の前に求人内容を確認したい場合は、無料求人診断も選択肢です。

よくある質問

Q. 求人広告の予算は月5万円や10万円から始めるべきですか?

会社全体に共通する正解はありません。必要な採用人数・期限、利用媒体、想定応募単価、応募から入社までの移行率によって必要額が変わります。まずは自社のデータと上限額を整理し、足りない工程に支出するか判断してください。

Q. Indeedの広告費は月額固定ですか?

一律の月額固定料金ではありません。Indeedの求人単位のスポンサー求人では日額予算のスタンダード・カスタムが案内され、実際の費用は日によって変動します。一方、複数求人をまとめるキャンペーンでは月額予算(自動継続)やワンタイム予算も設定できると公式案内に記載されています。利用商品、設定画面、期間ごとの上限を確認してください。

Q. 広告を出しても応募がゼロなら、予算を増やすべきですか?

必ずしもそうではありません。求人の掲載状況・表示数・クリック数・応募導線・募集要件を分けて確認します。対象者に表示されておらず、媒体も適していると確認できるなら増額の余地がありますが、求人内容や応募条件に課題がある場合は先に修正する方が合理的です。

Q. 求人広告費とRPO・運用代行費は同じ予算に入りますか?

費用管理上は採用活動の総予算に含めてよいものの、見積もりでは分ける必要があります。求人媒体へ支払う広告費と、原稿作成・運用・応募対応・採用管理など外部に依頼する業務の料金は別です。税区分や期間、最低契約月数も合わせて確認してください。

まとめ|採用人数から逆算し、応募までの数字で予算を調整する

求人広告の予算は、掲載料金の相場だけでなく、必要採用人数・応募数・応募単価・応募後の移行率から広告費の総額を求め、採用予定期間に応じた月額予算に配分すると、自社に必要な金額が見えやすくなります。

ただし計算結果は仮説です。求人の掲載状況、募集条件、対象者と媒体の適合、返信・面談・内定後の対応を確認し、少ないデータだけで「広告費が足りない」と判断しないことが重要です。

まず自社で改善できる部分を確認し、採用活動のどこから手を付けるか迷っている場合は、EnterLinkのRPO・採用支援や採用相談窓口をご利用ください。