求人への応募は来ているのに、担当者がほかの業務に追われ、応募確認や返信が後回しになる。複数の媒体を使っていると、応募者ごとの対応状況が分からなくなることもあります。
このような場合、応募者への連絡や進捗管理を外部に任せる方法があります。ただし、応募者対応代行の料金は「何人まで」「どの連絡を」「誰の判断で」対応するかによって異なります。 同じ月額でも、初回返信のみのサービスと、日程調整・ATS更新・合否連絡まで含むサービスを同じ条件で比べることはできません。
公式の公開料金例には、応募者対応・日程調整を月3万円(税別)とする個別サービス、月5万円(税別)からの追加オプション、月26万8,000円(税別)からの複数業務パッケージがあります。ただし、いずれも同じ商品ではなく、3社の金額から一般的な相場を決めることはできません。
この記事では公開料金の実例を比較し、応募受付から初回連絡・未返信者への再連絡・進捗管理まで、どこを外注すべきか整理します。採用担当を兼務している中小企業が、外注しない判断も含めて検討できる内容です。
応募者対応代行の費用はどう決まる?
応募者対応代行には月額固定、応募人数ごとの料金、基本料金に追加業務費を組み合わせる形などがあります。まず何を1件として数え、どこまで対応してもらえるかを確認します。
| 料金の形 | 仕組み | 確認したい点 |
|---|---|---|
| 月額固定 | あらかじめ決めた範囲を毎月の定額で委託 | 対象人数・求人職種・媒体数・連絡時間帯 |
| 人数・件数ごとの従量料金 | 応募者数や処理件数に応じて加算 | 応募1名と連絡1往復を同じ1件としていないか |
| 基本料金+追加業務費 | 基本対応に電話・SMS・ATS更新などを追加 | 初回連絡・リマインド・例外処理は標準か |
| RPOの一部・複数業務パック | 媒体運用や求人改善と合わせて委託 | 応募者対応のみに切り出せるか |
初期設定費、最低契約期間、対応人数の上限、追加料金も確認が必要です。「月3万円〜」という表示だけでは、応募者対応に必要な費用総額は確定しません。
応募者対応代行3社の公開料金を比較
2026年10月25日に確認した、各社公式ページの料金例です。次の3つは対応業務や商品構成が異なるため、平均値を取って相場とみなすことはできません。
| サービス | 公開料金 | 含まれる業務・注意点 |
|---|---|---|
| サイヨー工務店「応募者対応・日程調整」 | 月額3万円(税別)/個別サービス | 応募者連絡・面接日程調整・進捗管理。基本利用は別途月額1万円(税別)の掲載あり。個別サービス単独契約の可否、併用条件、対象人数は見積時に確認 |
| ワカッテ「採用窓口代行(SNS外応募対応)」 | 月30名まで5万円、31〜60名8万円(いずれも税別)/追加オプション | 同社のSNS採用サービスと組み合わせる追加支援として掲載。LINEを使う応募対応。単独利用の可否、基本プランを含む総額、人数の数え方は要確認 |
| bサーチ「応募者対応を含む採善策」 | 月額26万8,000円〜(税別)/複数業務プラン | 求人媒体の運用・スカウト支援・応募者対応を含む。応募者対応単独の料金ではない |
出典:サイヨー工務店・料金ページ、ワカッテ・料金ページ、bサーチ・採用代行/RPO料金
例えばサイヨー工務店の個別サービス「月額3万円」と、bサーチの複数業務プラン「月額26万8,000円〜」は、含まれる仕事が違います。ワカッテの月5万円は追加オプションとして掲載されているため、組み合わせる基本プランを含めた総額にも注意が必要です。
3社の価格を「月3万円〜26.8万円の相場」と読まないことが重要です。 金額の高い・安いだけで優劣を決めず、困っている業務を実際に代行するか、追加費用を含めた総額はいくらかで比較してください。
また「応募者数」「新規応募数」「日程確定件数」「連絡往復数」は異なる数え方です。料金表の対象単位が揃っているか確認しましょう。
応募者対応代行では何を任せられる?
応募者対応には、面接日時の調整以外にも複数の作業があります。
| 応募後の業務 | 外部支援を検討できる内容 | 企業側で決めておきたいこと |
|---|---|---|
| 応募受付・応募情報の確認 | 複数媒体からの応募の確認、重複の整理、受付記録 | 受付対象の媒体・求人・必要な情報 |
| 初回返信 | 受付確認、次の手順や必要な案内を定型文で送る | 返信文面、企業名義、返信時間の目安 |
| 未返信者への再連絡 | 決められた回数と間隔で再連絡する | 連絡手段・上限回数・対応終了条件 |
| 面接への接続 | 企業が設定した面接枠を案内し、日程調整へ渡す | 面接実施者・候補日・対応可能枠 |
| 進捗管理・報告 | ATSや管理表へ対応履歴、保留事項を反映 | ステータスの定義・更新権限 |
| 企業が決めた選考結果の通知事務 | 法令上の区分や権限を確認したうえで、定型的な通知事務を委託できるか個別に検討 | 採否や選考基準は企業が決定。独自の選別・意思疎通への介入は別途確認 |
最後の項目は特に注意が必要です。事務的な連絡窓口を任せることと、委託先が独自に応募者を選別したり、選考の判断・意思疎通を変えたりすることは異なります。 契約名が「採用事務代行」であっても、実際の行為により許可などの確認が必要です。
具体的な面接候補日の回収、確定、リスケ、リマインドや件数制料金を知りたい場合は、既存の面接日程調整代行の費用と判断基準で詳しく説明しています。本記事では同じ説明を繰り返しません。
月間応募数だけで外注費用を判断しない
応募数は予算を考える材料ですが、応募30名でも全員に一度だけ定型返信すれば済む場合と、複数回の連絡や保留対応が必要な場合では工数が違います。
例えば、説明用の仮定として「月30名、応募情報の確認と最初の連絡に平均15分かかる」とすると、30名×15分=450分、つまり月7時間30分です。これは実際のEnterLink顧客の計測値でも、業界の平均工数でもありません。電話での確認、候補者からの質問、返信待ち、再連絡、ATS更新などは別に発生し得ます。
料金比較の前に、直近1か月分について、応募人数、初回連絡までの時間、未対応件数、連絡回数、面接設定まで進んだ人数を把握してください。全部が分からなくても、まず媒体ごとの応募一覧と対応履歴を揃えるところから始められます。
自社対応・管理ツール・部分外注・RPOをどう選ぶ?
| 現在の状況 | 最初に考えたい選択肢 | 判断の理由 |
|---|---|---|
| 応募件数が少なく担当者が当日中に確認できる | 自社対応を継続 | 追加の委託費が必要ない場合もある |
| 応募の見落としやステータスの二重管理が中心 | ATS・管理ルールの整備 | 人を増やす前に管理方法を統一できる |
| 応募受付や初回返信が恒常的に遅れる | 応募者対応の部分外注 | 足りない連絡業務だけを切り出せる |
| 日程候補の調整・リスケだけで手が回らない | 面接日程調整代行 | 別の既存記事で詳しく比較できる |
| 求人改善や媒体運用・応募対応まで社内で回せない | RPOなど採用の広い支援 | 連絡だけでなく採用体制の見直しが必要 |
応募自体が来ない場合は、応募者対応代行より求人条件・媒体・原稿を先に点検する方が合理的です。その場合は求人を出しても応募が来ない原因や採用代行・RPOを使う判断基準を参考にしてください。
外注前に決めたい6つの運用ルール
- 対象と入口:どの求人媒体・職種・拠点の応募を対象とするか。応募データを誰が受け取るか。
- 対応時間と初回連絡:平日だけか、土日祝や夜間も必要か。社内で合意した返信の目安をどうするか。
- 連絡手段と文面:メール、媒体内メッセージ、電話、SMS、LINEのどれを使うか。候補者へ誰の名義で連絡するか。
- 再連絡と例外対応:返信がない場合に何回・いつ連絡するか。給与、条件、選考方針に関する質問が来たら誰へ戻すか。
- 進捗管理と個人情報:ATSの更新担当、閲覧権限、記録内容、再委託・保存・削除、トラブル報告方法。
- 料金と契約:何を1名・1件と数えるか。キャンセル、対応不能、超過料金、最低契約期間、途中解約。
実務では、応募受付をした人と、企業側の判断を待っている人を同じ「未対応」にしないことも重要です。たとえばステータスを「受付済」「初回連絡済」「返信待ち」「企業判断待ち」「次工程案内済」のように区別すると、誰が次に動くかが見えやすくなります。これは管理項目の例であり、実際の運用は企業の選考フローに合わせて決めます。
EnterLinkの既存の日程調整代行記事では、一例として初回連絡・翌日の再連絡・3営業日後の再連絡を運用想定として記載しています。これは当社の想定例で、すべての企業に適用する返信保証や業界標準ではありません。
応募者対応を外注するときの個人情報・法令上の注意点
履歴書、連絡先、経歴、選考状況などを委託先と共有する場合、応募者の個人情報を取り扱うことになります。個人情報保護委員会のガイドラインでは、委託元による委託先の適切な選定、契約、取扱状況の監督などが示されています。業務に不要な個人データまで渡さないことも基本です。
出典:個人情報保護委員会「個人情報保護法ガイドライン(通則編)」
外部への採用業務委託では、個人情報の管理と、職業安定法上の業務区分を分けて確認します。
厚生労働省は、求人者と求職者の間で雇用関係の成立をあっせんする行為を「職業紹介」と説明しています。委託先が独自に応募者を選別し、求人企業と求職者の意思疎通に実質的に介入するなど、行為の実態によって職業紹介に該当する可能性があります。
また、事業主が外部の者に労働者の募集を行わせる「委託募集」は、職業紹介とは別の区分です。報酬を与えて委託募集を行う場合、職業安定法第36条に基づく許可や報酬の認可が必要となります。ただし、採用関連の事務を外注しただけで、すべてが委託募集に当たるという意味ではありません。
応募受付・定型返信・進捗記録のどこまでを行うか、応募の勧誘や独自判断を含むかによって確認すべき制度が変わります。 「返信だけなら許可確認は一切不要」と断定せず、具体的な運用・契約に応じて都道府県労働局などに確認してください。
採否の判断は企業側に残し、本人の適性・能力に関係のない事項を採用基準にしないことも重要です。
出典:厚生労働省「募集情報等提供と職業紹介の区分」、厚生労働省「募集・求人業務取扱要領」、e-Gov法令検索「職業安定法」、厚生労働省「公正な採用選考の基本」
EnterLinkでは応募者対応のどこを相談できる?
EnterLinkは、中小企業の採用課題を整理し、求人改善・媒体運用・応募者対応・日程調整・数値管理などを必要な範囲から支援しています。応募受付・定型返信・進捗記録など、どの実務が必要かを整理し、法令区分・役割・体制を確認したうえで支援可能な範囲を個別に決めます。求職者を紹介する有料職業紹介サービスではありません。
本番サイトのRPO・採用支援では、部分支援を 月5万円〜(税別、1か月〜)、採用全体支援を 月20万円(税別、3か月〜) と案内しています。ただし、月5万円で応募者対応・電話・SMS・ATS更新・合否連絡などのすべてを無制限に受けるプランではありません。実際に対応可能な業務と料金は、応募件数、窓口、連絡手段、必要な時間帯などを確認して個別に整理します。
「応募者への初回連絡だけを任せたい」「媒体ごとに未対応者が分からない」という段階でも、採用業務について無料で相談するから、月間応募人数・使用媒体・困っている連絡業務をお知らせください。必要な委託範囲と法令上の確認事項を整理します。現状の負担が小さければ、自社対応の継続やツール・運用ルールの整備をご案内する場合もあります。
支援全体の料金や内容はRPO・採用支援のサービスページをご確認ください。
よくある質問
Q. 応募者対応だけを代行できますか?
応募受付や定型的な案内、進捗更新などを部分的に支援するサービスはあります。ただし具体的な業務範囲、候補者への連絡や選考への関与の仕方により、契約・法令上の確認が必要です。
Q. 面接日程調整代行とは何が違いますか?
面接日程調整代行は、面接可能日時の回収・確定・変更を中心とする支援です。応募者対応代行は、それより前の応募受付、初回返信、未返信者への再連絡、進捗記録なども対象となる場合があります。どこまで含むかは事業者ごとに異なります。
Q. 電話、SMS、夜間・土日祝対応も含まれますか?
一律ではありません。媒体内メッセージやメールのみのプランもあれば、電話・SMSを含むプランもあります。対応時間帯と休日の扱いは必ず見積もりで確認してください。
Q. 応募者を選別したり、採否を決めてもらえますか?
企業に代わる独自の候補者選別や、選考判断・求人者と求職者のあっせんは、職業安定法上の区分や許可の確認が必要になる場合があります。採否や雇用条件の判断は企業側が行う前提で、委託先の具体的な行為を確認してください。
Q. 応募者対応の見積もり前に、何を用意すればよいですか?
直近1か月の応募人数、利用している求人媒体、初回連絡までの所要時間、未対応件数、任せたい連絡手段と時間帯が分かると、対象業務を整理しやすくなります。数値がすべて揃っていなくても、まず現状の管理方法から相談できます。
まとめ|応募後の連絡と企業判断を分けて外注範囲を決める
応募者対応代行の費用は、月額だけでなく、対応人数・対象業務・連絡手段・対応時間・契約条件で変わります。社内で応募の確認と連絡が回るなら外注しない方法もありますが、繰り返し対応が遅れているなら、初回返信や進捗管理などを部分的に委託する選択肢があります。
重要なのは、任せる連絡業務と、企業側で決める選考・雇用条件を分けることです。応募者情報の取り扱いも含め、役割とルールを決めてから見積もりを比較してください。
応募後の連絡業務と企業判断の切り分けに迷う場合は、EnterLinkへ採用業務を相談するから、現在の応募人数や対応状況をお知らせください。