「採用コンサルティングを依頼したいけれど、月額でいくら必要なのか分からない」「費用を払って提案してもらっても、自社で実行できないかもしれない」。採用担当者がいない、あるいは人事を兼務している中小企業では、こうした点が依頼先選びの難しさになります。
採用コンサルティングは、会社によって採用課題の診断、採用戦略の設計、採用フロー改善、求人原稿改善、運用支援まで含む範囲が異なります。費用を比べる際は月額金額だけでなく、「どんな成果物が残るか」「誰が施策を実行するか」「何か月分でいくらかかるか」を揃えることが重要です。
本記事では公開料金例と具体的な見積比較表を使い、採用コンサル・採用代行(RPO)・自社改善のどれが合うかを整理します。なお、本文の会社別料金は2026年10月27日時点の公開情報です。支援範囲・最低契約期間・税区分が異なるため、一律の市場価格、同一条件の比較、採用成果の保証ではありません。
結論|採用コンサルティングは月額料金より「設計後に誰が動くか」で選ぶ
採用計画や求人要件を見直す必要がある一方、社内には改善策を実行できる担当者がいるなら、採用コンサルティングで診断・設計・助言を受ける選択があります。
逆に、改善すべき内容はある程度分かっていても、求人の修正、媒体の運用、応募後の進捗管理が回らないなら、実務を含むRPOや対象を絞った部分支援を比較すべきです。社内で求人票を直せるなら、初めから継続契約を結ぶ必要がない場合もあります。
「助言だけ」「設計から改善伴走」「実務も担う」では、支払う料金の意味が変わることを最初に押さえてください。
採用コンサルティングとRPOの違い|支援の名前ではなく中身を見る
採用コンサルティングでは、経営計画と採用人数の整合、求める人物像、募集職種の優先順位、求人市場・条件、採用フローや数値指標などの整理を依頼することが考えられます。
採用代行(RPO)は、そうした設計に加えて、求人媒体の運用、応募者対応、日程調整、数値集計といった実務の一部や複数工程を担う契約が中心になります。ただし採用コンサル会社が実務を支援する例もあれば、RPO会社が採用設計から伴走する例もあります。会社名やサービス名だけでは区別できません。
| 支援タイプ | 主な成果物・支援 | 社内で必要な実行 |
|---|---|---|
| スポット診断・助言型 | 課題診断、求人の改善案、優先順位、助言レポート等 | 提案を実行する担当者と改善時間 |
| 採用設計・継続伴走型 | 採用計画、人物要件、選考フロー、定例、数値改善提案等 | 決定した施策の担当者と承認体制 |
| 実務支援・RPOを含む型 | 採用設計に加えて求人・媒体・応募対応など契約範囲の実務 | 給与・条件決定、面接・合否、必要な承認 |
※上記は支援範囲を分かりやすくした分類例です。各会社で契約や提供業務が異なります。具体的な業務と許認可の要否は個別に確認してください。
RPOに依頼する作業の詳細は採用代行に依頼できる業務一覧で整理しています。RPO全体の予算が関心なら、別記事の採用代行・RPOの費用ガイドをご覧ください。
採用コンサルティングの費用はいくら?公開情報を比較
採用コンサルの料金は、月額顧問、スポット・プロジェクト、設計と実務の一体型などで見積条件が変わります。
例えばdodaの法人向け解説は、人材像の設計30万〜50万円、採用戦略策定30万〜50万円、選考プロセス設計50万〜100万円(いずれも税込)を支援内容別の費用例として紹介しています。これは個別企業の正式見積もりを保証する価格ではありません。
一方、パーソルビジネスプロセスデザインの解説では月額制について月20万円程度からの目安を説明しています。記事によって示される幅が異なるのは、調査対象や「何を含む料金か」が異なるためです。
実際の事業者の公開プランも、対象業務と契約期間を合わせて読みます。以下は事業者が公表している個別プランであり、同じ業務範囲の価格をそろえた比較ではありません。
| 公開プラン・提供元 | 公開料金・期間 | 含まれる業務と確認事項 |
|---|---|---|
| グローカル「採用強化支援」 | 総額120万円〜(月30万円×4か月〜) | 採用戦略・人物像・コンセプト・採用チャネル・求人原稿・選考改善など。税区分は公開確認範囲では未確認 |
| オクトーリア「採用支援プラン」 | 月額35万円〜(税別)、基本6か月以上(公式FAQ。個別相談可) | 選考基準、採用管理、エージェント対応、求人票等の複合支援。面談支援・ATS利用実費等は別。純粋な助言だけのプランではない |
| EnterLink「部分RPO支援」 | 月額5万円〜(税別)、1か月〜 | 求人改善・エージェント管理・日程調整など、対象業務を限定した支援。採用コンサル専用の一律料金ではない |
| EnterLink「採用全体支援」 | 月額20万円(税別)、3か月〜 | 採用設計と実行改善を含む支援。採用条件や採否は企業が決定 |
出典:グローカル「採用強化支援」公式料金、オクトーリア公式料金、EnterLinkのRPO・採用支援。この表は異なる公開プランの例であり、最安値ランキングや市場平均ではありません。オクトーリアの公式FAQは「基本的には6か月以上、状況に応じて相談」と記載しており、月35万円×6か月で支援費用だけで210万円(税別)となります。面談支援やATS利用料など別費用がある場合もあります。契約条件・初期費用・税区分は見積時に再確認してください。
採用コンサルの価格が変わる5つの要因
同じ「月額20万円」という見積もりでも、次の条件が異なると比較できません。
- 対象職種・拠点・採用人数:1職種を診断するか、複数職種・複数拠点を設計するか。
- 調査・設計の深さ:現状ヒアリングだけか、求人市場・競合条件・社内面接基準まで整理するか。
- 成果物:助言のみか、採用計画・求人票・KPI表・選考フローなどを完成状態で渡すか。
- 実行の有無:方針を伝えるだけか、求人原稿の修正や運用改善まで伴走するか。
- 契約期間と追加費用:初期費用、最低月数、訪問回数、広告費・媒体利用料などが別か。
中小企業では、料金が高いか安いかより、外部から提案された改善を自社で実行できるかが導入後の成果に影響します。担当者や決裁者が決まっていなければ、立派な採用戦略資料を作っても施策が止まってしまいます。
依頼して何が残る?成果物と実行責任を見積書に書く
採用コンサルティングに依頼するときは「採用戦略策定一式」だけで契約せず、納品する成果物や更新する資料を確認します。
例として、採用目的・優先順位・募集職種の一覧、必須・歓迎要件と給与条件の整理、求人票の改善案、媒体選定の理由、面接の評価項目、数値管理表、定例の議事録と次回までの担当者・期限が考えられます。
ただし、すべてのプランでこれらが納品されるわけではありません。 例えば毎月の定例会で改善を助言するサービスと、完成した求人原稿まで作るサービスは違います。納品物に「誰が更新するか」も決めておくと、契約終了後の運用を内製化しやすくなります。
3か月の総費用で考える|月額だけでは比較できない
月額料金を比較するときは、最低契約期間をかけた総額に、初期設定費と別途実費を加えます。
計算式:支援総費用=月額費用×契約月数+初期費用+追加業務費。 ここに求人広告費、人材紹介手数料、採用管理ツールの利用料などが別途発生する場合は、採用全体の予算としてさらに加えます。
以下は計算方法を説明するための架空の例です。特定会社の見積金額ではありません。各社の最低契約期間が3か月とは限らず、6か月契約を3か月分だけで比較することはできません。
| 仮の月額・期間 | 支援費用の計算 | 別途確認すべきこと |
|---|---|---|
| 月額15万円・3か月 | 45万円 | 診断だけか、毎月の改善支援と資料更新を含むか |
| 月額20万円・3か月 | 60万円 | 求人の改善実行・応募後対応・担当稼働範囲を含むか |
| 月額40万円・3か月 | 120万円 | 初期設計・実行支援・訪問/定例回数・追加料金 |
※すべて仮の計算例で、税・初期費用・広告費等は含みません。3つを「同じサービスの相場」として扱うものではありません。月額と最短契約期間は別の比較軸です。EnterLinkの料金については公式RPOページの税別・最低期間などの条件を優先してください。
見積もりに採用広告費が含まれるか、誰が広告予算の増減を決めるか、人材紹介会社への手数料は別か、といった点まで比較して、予想外の追加支払いを防ぎましょう。
自社の採用課題別に、どの支援を選ぶ?
求人を出しても応募が来ない会社
いきなり採用コンサルや媒体追加を契約する前に、求める人物像、求人票の仕事内容・給与・働き方、掲載先、求人が閲覧されているかを確認します。改善の優先順位が見えないなら短期診断や求人票の改善支援を検討できます。自社で内容を直せるならまず実行して効果を観察します。
計画・ターゲット自体が決まらない会社
採用人数、期限、採用背景、仕事内容、給与・働き方の条件を整理する支援が候補です。成果物は採用計画やターゲット整理などに限定し、社内に実務の担当者がいるなら、初めから広いRPOを契約する必要はありません。
採用担当者がいなくて実行が回らない会社
どれだけ良いアドバイスがあっても、求人票の改稿、掲載内容の更新、応募後の確認、日程調整の責任者がいなければ採用が止まります。この場合は相談・設計と運用業務を分けて見積もり、部分支援または採用全体の支援を検討します。
依頼しても企業が決めること|採否と労働条件は社内に残す
採用条件の設定、面接評価、採否は採用企業が主体となって決めます。外部へ依頼するのは、事実確認・調査・提案・契約した実務を補助することです。
また、求人者・求職者間のあっせんなど実際の行為が職業紹介に該当する場合には許可等の確認が必要となることがあります。採用コンサルティングやRPOという名称だけで法律上の扱いは決まりません。具体的な委託範囲については厚生労働省の職業紹介等の区分などを確認してください。
候補者情報の取扱いを委託する場合には、個人データの利用目的、アクセス権限、再委託、保管・削除、委託先の監督についても事前に決めます。応募者の選別・連絡を外部事業者が独自判断する場合は、単なる事務代行と一括りにせず、具体的な行為に応じて労働局などへ確認します。
見積もりの前に確認したい7つの質問
複数社へ見積もりを依頼する場合は、次の質問を同じ順番で確認します。
- 対象はどの職種・拠点・採用人数までか。
- 採用要件、求人票、選考フロー、KPI表のうち何が成果物として残るか。
- 調査・助言で終わるのか、原稿修正や媒体運用などの実務まで担うのか。
- 定例会の頻度、担当者、対応時間・追加対応の上限はどうなるか。
- 初期費用、最低契約月数、解約条件、追加費用はあるか。
- 求人媒体費、広告費、採用管理ツール、人材紹介手数料は別か。
- 採用が停滞した場合、どの数字を見て誰が何を改善するのか。
例えば「応募が少ない」課題であれば、求人表示・閲覧・応募開始・応募完了のどこが詰まっているかを確認し、改善責任者を決める。こうした実行までの具体性を見積書と提案内容で比べることが重要です。
採用コンサルを依頼しなくてもよい会社もある
年間1〜2名程度を安定して採用でき、求人票の作成、応募対応、採用数値の振り返りを自社で行えているなら、無理に外部コンサルを導入する必要は低いでしょう。
「求人票の仕事内容を補う」「応募後の担当者と返信期限を決める」だけで改善できる場合もあります。外部への依頼は、社内の知見や時間が足りない部分を特定してから考える方が費用を抑えやすくなります。ただし採用人数が少なくても重要な専門職が長期間採用できないような場合は、支援の必要性が高まることもあります。
EnterLinkでは採用コンサルと実務支援をどう考える?
EnterLinkでは、まず採用目的・人数・期限・募集職種・求める人物像・給与条件などを確認し、求人票・媒体・応募から面接までのどこが止まっているかを整理します。そのうえで、自社でできる改善と、外部の支援が必要な業務を切り分けます。
EnterLinkが現在提供しているのはRPO・採用支援です。「採用コンサルティング専用の月5万円定額プラン」を設けているという意味ではありません。 公式の部分RPOは月額5万円〜(税別)・1か月〜で対象業務を限定した支援、採用全体支援は月額20万円(税別)・3か月〜です。支援の範囲は個別に確認してから提案します。
「相談だけでよいか」「求人票を改善したいか」「媒体の運用まで任せたいか」がまだ決まっていない場合も、採用状況を整理するところから相談できます。初回相談では、候補者の個人情報は不要です。採用職種・期限・困っている工程を分かる範囲でお知らせください。
EnterLinkに採用設計・実務支援の範囲を相談するからお問い合わせいただけます。求人票の改善から具体的に始めたい場合は無料求人診断も選択肢です。
よくある質問
Q. 採用コンサルティングの費用相場は月額いくらですか?
提供範囲と期間によって異なり、一律の金額はありません。月額制の目安を解説する事業者もありますが、助言中心か採用設計・実務支援を含むかで差があります。初期費用や契約期間を含めた総額で見積もりを比較してください。
Q. 採用コンサルティングと採用代行のどちらが安いですか?
どちらが常に安いとは言えません。採用設計だけのスポット支援と、日常的な応募者対応などを含むRPOでは費用の対象が違います。自社の実行担当がいるかどうかと、依頼する業務を揃えて比較してください。
Q. 採用が1〜2名でも依頼する必要がありますか?
安定して採用できており、自社で改善を回せるなら外部支援は必須ではありません。少数採用でも求人が長期間埋まらず事業に大きな影響が出る場合には、課題診断など必要な部分に限定した支援を検討できます。
Q. 採用コンサルを依頼すれば必ず採用できますか?
採用成功を保証するものではありません。企業の採用条件、市場の求人競争、実行体制、面接・選考の対応によって結果が変わります。契約時に、支援範囲と評価する数値を明確にすることが重要です。
まとめ|「何を任せるか」と「誰が動くか」で総費用を判断する
採用コンサルティングの費用は、同じ月額でも含まれる成果物・実務・期間によって意味が異なります。
まずは現状の採用課題を整理し、自社で実行できるところを残したうえで、足りない採用設計や運用をどこまで外部に任せるか決めてください。金額の比較は最低期間を含む総額と成果物、改善責任者まで揃えて行うのが実務的です。
EnterLinkのRPO・採用支援では、部分支援から採用全体支援まで現在の提供内容を確認できます。依頼範囲を整理したい場合は採用支援の相談窓口をご利用ください。